お寺の人間として、ドローンや動画についての考え方

お寺の人間として、ドローン撮影や動画撮影についての考え方を述べます。

Mavic Inspire2

個人でドローンを購入して簡単に飛ばせる世の中になりました。
また、動画についてもGoProに代表される付けっぱなし、回しっぱなし撮影がお手軽にでき、デジタルカメラの動画機能も、美しい4k動画がお手軽に撮れる時代です。

個人的には、動画を見るのは好きで、自分でも撮ったり編集するので、その良さは十分理解していると思います。

まずメリットを強調しておくと、

ドローンの俯瞰的な映像、高画質な動画によって、圧倒的なわかりやすさで、多くの人にお寺の魅力を周知することができます。
観光PR的な要素はもちろん、建物の保全や遍路道の維持、文化遺産的な価値の再認識など、付随的な役割も少なくありません。
お寺というものは、そこに人が来てくれなければ価値がありません。歩いてくれる人がいなければ道は無くなっていまいます。

そのメリットをまず重々認識することが大事です。

一方で、静かなお寺の境内にあって、「ブィーーーーーーーーーーン」と似つかわしくないドローンのプロペラ音が聞こえてくるとギョッとします。
動画においても、気づけば無言ですり足で、スタビライザーに載せたカメラで動画を撮っている人を見かけます。

この時、私のとる行動は「やめてください」です。

意外に思うかもしれませんが、めっちゃ嫌な顔をします。相手が居づらくなって退散するのを見届けます。
後で、SNSで文句書かれているかもしれませんが、知ったことではないです。

理由は、参拝者の迷惑になるから。それだけです。
では、参拝者が誰もいない時ならOKなのか?と聞かれればそれもNGです。
理由は、勝手に撮ることを当たり前にして欲しくないからです。

要するに、許可をとれ!ってことですよ。

勝手にとる人が多すぎる。
勝手に撮ってもいいと思っている人は、自分が経営しているお店の中を、勝手に撮影してウロウロしている人がいる状態を想像して欲しい。
お寺だったら許されますか?

「〇〇のために、ドローンを飛ばしたいのだが、今飛ばしても大丈夫ですか?どこか撮ったらダメな場所はありますか?」

たったそれだけの手間ですよ。
それで、ここの本堂は国宝なので、落下の危険があるのでNGです。と言われたら、それで引き下がって欲しいです。
ここは参拝者が多いので動画撮影も三脚撮影もNGです。ルールに従いましょう。
参拝時間前の早朝か、閉門後であれば撮影可能ですか?選択肢を出して互いの意見をすり合わせしたいです。
それくらいお寺に言う権利がありますよね。

撮影の肖像権の話も似たようなところがあって、
勝手に撮られて、SNSでアップされたり、写真展に応募されて衆人環視にされされるのが嫌なら、許可をとりましょう。
嫌に思う人がいると想像できたら許可をとりましょう。喜ばれると思ったら勝手に撮ってプリントしてあげたらいいと思うし、何でもかんでも人は撮ったらダメって話ではないですよ。
それで解決されると思いますけどね。

2019-04-02 | Posted in お知らせ, 坊主カメラNo Comments » 

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