はじめての雨歩き遍路 by 寺嫁
島内の中高卒業生を対象とした卒業遍路の試し歩きに参加した。
寺に嫁いで5年目なれど、歩き遍路2回目。
1回目でその魅力にはまり、今回も楽しみでならなかった。
が、その想いとうらはらにお天気は雨。
同行するメンバーからも「雨でも決行???」という問合せ多々。
しかし、お遍路は悪天候でも警報が出ない限りは決行だ。
ということで、初めての“雨”歩き遍路。
お遍路なのでみんな白衣とか着てるんだけど、 カッパを上から着るので、一見お遍路さんには見えない。
写真左から3番目の私。
家の大掃除の合間にちょっとお参りって感じ。
今回のお参りするのは、池田地区の明王寺・釈迦堂〜光明寺〜松風庵〜林庵〜西ノ瀧〜佛谷山〜保安寺の8札所。
前半は割となだらかな道で、道すがら地蔵様や草花に愛想しながらてくてく。
「前掛けの配置がなかなか絶妙!」とか言ってる余裕の私。
歩き遍路の醍醐味の一つは、 車じゃ通らない道、抜け道、あぜ道、もしやひとんち!?って所を行くのが面白い。 (ひとんちは冗談ね)
目線もぐっと下がってゆっくりだから、発見もいっぱいある。
って、余裕があるのもほんの1時間。
「さあ、ここから登ります。」という先達さんの合図と共に、歩き遍路から登り遍路へとシフトチェンジ!
で、早くも最後尾。
そして、大きく遅れをとる。の巻
勿論、巻き返す事無く本日の最高峰西ノ瀧に到着!!!
おせったいの甘酒をいただいた。
冷え切った身体がホッとする。
こちらで、お昼休憩。
同行のベテラン先達さん曰く
「護摩堂からの景色が最高!!なんだけど〜見えないね」
「ここから、池田港から四国までずーっと見渡せる!!〜んだけど見えないね。」
最高の景色を見たかったけど、見られなかった思い出は絶対に忘れないだろう。
今度、西ノ瀧に来た時は頑張って歩いた時の色々な記憶と共にお参り出来る。
で、最高の景色も頂けるはず!!
って思うとまた来るのが楽しみになった。
さあ、後半戦スタート。
次の札所へ旅立つ私たちを西ノ瀧のご住職が法螺を吹いて見送ってくれた。
霧で姿は見えなくとも、法螺の音が「がんばれーー!!がんばれーー!」
って言っているようで涙が出そうになった。
これも素敵なおっせたいだなぁ。
ここからは、下り山道。
雨でぬかるんでいるので足を滑らさないように慎重に。
なんとか雨も小降りになって次の札所 佛谷山に到着。
かわいいわんちゃんの石像がおでむかえ。
石って、なんでも出来るんだなぁ〜今にも動き出しそうで
「お手!!」
って言いそうになる。
洞窟の本堂では、護摩焚きもしていただき皆の顔もなんかとっても穏やか。
このあと、般若心経を三巻となえる事となるが、 最大音量の声で、髪を振り乱し、瞳孔は見開いたまま、手に汗を掻きながら、 熱い熱〜いお経を一心不乱に唱え上げた。(一部妄想あり)
とにかく、余計な事を一切考えず、ただただ唱えるという行為が、こんなにも気持ちいいものかとあらためて実感した。
そして、ここでもしっかりと甘酒のおせったいをいただく我ら。(笑)
心得ておりますとばかりにメンバーもつぐ手つきが手慣れている。
佛谷山に別れを告げて、いよいよ麓まで一気に下りる。
途中、旧遍路道を発見し、ちょっとした探検気分を味わいながらも無事に最終目的地、保安寺に到着!!!
ついた頃には雨もあがり、皆の表情も晴れ晴れ。
無事に結願できた記念にみんなで集合写真。
大掃除のおばさんもすっかりお遍路さんの顔になっているではないか。(自画自賛)
初めての雨遍路。
やはりカッパが強い味方で、服は一切濡れなかった。
が、問題は靴。
一応おろしたばかりのスニーカーだったが紐のところから水が入り、靴下は濡れていた。
替えの靴下を持参していたので、合間で替えておけばベストだったかも。
あと、あると良いのは手袋。
手にフィットして寒さをしのげるのがベスト。
本当はスキー用や防水用がよいが、かさばるしごつごつするので山歩きには不便かも。
さあ卒業遍路の本番は3月18日
いろんな思いの詰まった実り多き遍路となりますように。
瀬戸の寺嫁
さちえ 39歳
(2015年2月26日 卒業遍路試し歩き)
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