同行三人 by 島暮らし5年目
私が始めて小豆島に降り立ったのは5年前の5月。
その時の第一印象は「初めて来た場所なのに何かに守られているような安心感」でした。
目には見えないけれど、とても大きなモノに包まれているような気持ちがしたのは、やはりお大師様の力なのでしょうか?
そして、何か大きなモノに導かれるように移住した私の、島に住んだらやってみたい事の一つが島遍路でした。
始めは趣味の自転車で巡ろうかと思っていましたが、島を知るほどに、歳をとるほどに「こりゃ自転車じゃ無理!」と悟ることとなり、霊場会のふれあい大巡行に参加したり、自分の車で巡り、今回はスタッフとして「第9回女子へんろ」に参加させていただきました。
第9回目に巡った札所は、
樹齢1000年を超える国の天然記念物「大ソテツ」のある誓願寺
→ここからてくてく車道を歩くと
小さな庵だけど、駐車場がめっちゃ綺麗な保寿寺庵
→更に車道をてくてく歩いてふるさと村の反対側の坂を登ると
縁結びの愛の彫刻がある愛染寺
→池田の桟敷を通り過ぎて坂を登ると
枯山水の美しい庭と茶室のある長勝寺
→ひたすら車道をてくてくてくてくセブンイレブンが見えて来たら
可愛いワンコが出迎えてくれる保安寺
→さぁ、ここからが本当の修行?
へんろ道と書いてある指のマークが彫られた石を目印に
洞窟の中に本堂がある佛谷山(保安寺の奥の院)で護摩焚きを体験
→更に山道を滑らないように慎重に登ってのぼって
ここからの瀬戸内海の眺めは最高!長勝寺の奥の院西之瀧
→海に降りていくかのような階段を降り、坂道をどんどんどんどん下ってオリーブ畑の中を進み
子宝を授けてくれるという人形が置いてある林庵
→更にオリーブとみかん畑に囲まれた道をてくてく歩いて
綺麗に供養されている墓地の中に立つ小さな松風庵
→西日が差すオリーブ畑から民家が見えて来たら
屋根の鬼瓦が印象的で、境内もすっきり広い光明寺
と、本当はこれで本日の行程終了となるところ、みんなの頑張りか、おかげさん?か、少し時間が早いので、釈迦堂と明王寺もお参りすることになり、
→民家の中をてくてくてくてく
重要文化財で島で一番古いと言われる釈迦堂で西日に照らされた釈迦如来の像を間近で拝み
→すぐお隣にある明王寺に移動
本日最後の札所 明王寺で最後のお勤めをしました。
私は何度か歩いたことのあるコースでしたが、やっぱり運動不足の体にはしんどい道でした。
保安寺から西之瀧までのへんろ道は、足場も悪く、尋常ではない斜度の坂でしたが、皆さん、本当に良く頑張りました!
実は私は今年の3月から5月に病気の主人と一緒に88カ所を車で巡り、無事結願し、「夏は暑いから秋になったらまた巡ろうね」と約束をしていました。
しかし、それから数か月後、主人が先立ち、私は独り残されました。
「秋に巡ろう」という約束を果たそうにも、独りでは悲しく、足を踏み出せないまま冬になりました。
しかし、今回もいろいろなご縁が重なり、この女子へんろに参加することになり、ようやく主人との約束を果たすため歩き出すことができたのです。
私のお遍路は「同行三人」。お大師様と主人と一緒です。
私は納め札、主人の分は写経にして、各札所にお納めしてきました。
途中、二人で巡った時を思い出し、般若心経を唱えながら涙が出ることもありましたが、参加した皆さんとの楽しいおしゃべりに支えられ、スタッフとは名ばかりの私でしたが、楽しく歩く事ができました。
そして、あらためて「主人とお遍路して良かった」と思い、これからも写経を書きためて、少しずつお参りしていこうと思っています。
お遍路はどんな目的でも、また特に目的が無くても、良いのだと思います。
巡っているうちに、何でもなかったものが、なんとなく形になっていくような気もします。
私にとっては、感謝です。
主人と一緒に結願できた奇跡や、主人と私の救いになったこと、そして独り残されても、こうして主人を感じながら巡れることに感謝して、これからも島遍路を続けていきたいと思います。
皆様、お疲れさまでした。そして、ありがとうございました。
女子へんろスタッフ みっちゃんこと岡田美智世
(12月13日 第9回女子へんろにて)
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